いろいろあったけど、結局どうなったん?
あれ?国民民主党と交渉してなかった?なんで維新?
という印象を持っている人も多いですよね。
2025年度予算案修正交渉では、各党の思惑が交錯する中、高校教育無償化や社会保険料引き下げを巡る合意が進む形で維新が予算に合意しました。
国民民主党が掲げた「103万円の壁」問題においては、国民民主党と与党側で大きな駆け引きが続いています。
ここでは、国民民主党が主張する178万円引き上げ案と、与党側が提示した123万円案および複数の壁を設ける案との駆け引きの経緯、さらに日本維新の会の要求内容や合意文書のポイント、そして今後の参院選を見据えた展望について詳しく解説します。

1. 「103万円の壁」問題の駆け引きとその背景
国民民主党の178万円引き上げ案
国民民主党は、現行の103万円の壁が短時間労働者や扶養に入っている配偶者にとって大きな障壁となっていると指摘。
「手取りを増やす」
という明確なメッセージで、2024年の衆院選で議席を7→28と大きく増やしました。※候補者が足りず、3議席を返還した。本来であれば31議席であった。
彼らは、生活水準や就労意欲を考慮し、所得税や社会保険の負担が発生しない基準を178万円まで引き上げることを強く求めています。これにより、就業調整の必要性を大幅に軽減し、働く意欲を高めると主張しています。
参考:asahi.com
与党側の提示案と駆け引きの経緯
2024年12月11日、いわゆる「103万円の壁」について、
- 2025年から引き上げること
- 引き上げ幅については、国民民主党が求めている「178万円を目指す」こと
を明記した合意書を交わしました。
これで「おっ」と思った有権者も少なくないはず。
しかしふたを開けてみると、与党側の提示した案は
「まずは103万円の壁を123万円まで引き上げる」というものでした。
国民民主党はこれに猛反発。公明党は「本案に公明党は関与していない」とやや国民民主党寄りのスタンスを取り、再提案に至りました。
しかしその再提案も、複数の「壁」を設定する方式(一定の所得段階ごとに非課税枠を設定する)というもので、所得制限なく基礎控除を引き上げるという国民民主党の案は受け入れられませんでした。
― つまり、3党合意で「178万円を目指す」という大きな方向性は示されながらも、実際に与党側が提示した具体的な案は、その目標には到底及ばない内容となっており、交渉は激しい駆け引き状態にあります。SNS上でも、「本当に178万円に近づけるのか?」、「意地でも減税したくないんだね自民党は」という批判や不信感が多く見受けられ、与野党間の溝を象徴する結果となっています。
2. 日本維新の会の要求と合意内容
日本維新の会の要求
なかなか予算合意に至らない…業を煮やした自民党は、日本維新の会に目を付けました。
日本維新の会は、今回の予算交渉において、高校教育無償化を大きな柱として掲げていました。具体的には、来年度4月から、私立高校も含めた高校授業料を所得制限なしで無償化する方針です。
前原共同代表は「基準額として45.7万円を設定し、所得制限の壁を撤廃する」と述べ、これにより家庭の経済状況に左右されず、すべての高校生が平等に教育を受けられる環境を整えることを目指しています。参考:fnn.jp
また、現役世代の負担軽減を目的とした社会保険料の引き下げも要求に盛り込んでいます。
2月20日付 日本維新の会 社会保険料を下げる改革案(たたき台)より
国民医療費の総額を、年間で最低 4 兆円削減する。それによって、現役世代一人当たりの社会保険料負担を年間 6 万円※引き下げる。
※全額を社会保険料負担減とする想定で、給与の等級を踏まえない単純平均の労働者負担分と
事業主負担分の合算。削減額の配分は別途詳細を詰める。
それを実現する案を以下のように挙げています。
①OTC 医薬品の活用によるセルフメディケーションの促進
OTC(Over The Counter)医薬品とは、医療用医薬品でも処方箋医薬品でもなく、公的保険の対象にならない薬局などで購入できるいわゆる市販薬のことで、主に風邪薬やビタミン剤など。これを保険適用外にすることで、医療費を削減する。
②医療費窓口負担及び高額療養費負担限度額の所得区分判定の見直し
いわゆる応能負担の実現。現在高齢者は一律に窓口負担を軽減している(69歳までは3割負担、70歳から74歳までは原則2割負担、75歳以上は原則1割負担)が、資産や所得の多い方々には相応の負担をしてもらう。
③電子カルテとパーソナル・ヘルス・レコードの完全普及
医療DXによって効率化を図る。
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3. 天秤にかけた結果…
国民民主党の主張である「178万円への引き上げ」は
約7兆円~8兆円の歳入減(財務省試算)
一方で、
日本維新の会の主張である「高校教育無償化」「社会保険料引き下げ」は
高校教育無償化:約6000億円の歳出増
社会保険料引き下げ:約4兆円の歳出減(&歳入減)
となります。※厳密にいうと社会保険料と税は異なるものですが、社会保険の4割に当たる54兆円が公費で賄われているため、同一に扱っています
日本の財政は過去に例を見ないほど悪く、政府としては「税収を増やしたい」「歳出を減らしたい」状態です。家計でいうと、「もっと稼ぎたい」「浪費を避けたい」ですね。
国民民主党の案だと、収入が大きく減ってしまいます。
日本維新の会の案だと、高校教育無償化で少し支出は増えますが、社会保険料引き下げで大幅支出カットができます。
自民党はこれらのメリットデメリットを考慮し、日本維新の会に歩み寄ったのではないか、と推測されます。
SNSでは議論噴出…
この合意を巡っては、「維新が国民民主党の減税を潰した」「国民民主党は維新と手を組むべきだった」など、様々な意見が飛び交っています。
どちらの党も「現役世代の負担を軽減する」という目的は一致しているはずですが、党のスタンスですれ違いが生まれ、維新と国民民主党に軋轢が生まれてしまう結果になったことは、少し残念です。

社会保険料引き下げに関する合意文書のポイント
最終的に高校教育無償化と社会保険料の引き下げが受け入れられ、合意に至りました。
しかし、合意文書には、具体的な金額が明記されているものの、施行の具体的な期日や実施のタイムラインは記載されていません。
― 文書内では、引き下げ目標額として一定の水準が示される一方で、「早期に実現が可能なものについて、26年度から実行に移す」という表現に留まっており、具体的な施策や実効性を担保するための細部のスケジュールは今後の検討課題とされています。
しかし、国民民主党の3党合意を順守しなかった自民党が、このような曖昧な文書で約束をちゃんと守るのか?また裏切るのではないか?という声は少なくありません。
今後の動きについて、約束が履行されるように有権者がしっかりと監視しなければなりません。
参考:yahoo.co.jp

4. 今後の展望~7月の参院選とSNSの声
今回の予算交渉を受け、今後の政治情勢においては、7月に実施される参院選が重要な分岐点となる可能性があります。
国民民主党は、「103万円の壁」撤廃の要求を強く主張しており、これが与党側との折り合いにどのように反映されるかが争点となります。
また、SNS上では、与党の提示する案が実質的な改革とは言えず、形式的な対応に留まっているという批判の声が多数上がっているほか、「国民の負担を本当に軽減できるのか」「若者の働き方を守るためにはもっと本格的な改革が必要」といった意見も散見されます。
参院選において、これらの政策が有権者にどう評価されるか、また各党がどのような立場で臨むのかが、今後の議会運営や政府の信頼に大きな影響を与えると予想されます。
まとめ
今回の予算交渉では、国民民主党と与党側の間で「103万円の壁」を巡る大きな駆け引きが行われ、国民民主党は178万円への引き上げを強く訴える一方、与党側は123万円の引き上げや複数の壁を設ける案を提示するなど、方向性は一致しているものの具体案には大きな隔たりが見られます。
また、日本維新の会は、高校教育無償化と社会保険料の引き下げという二本柱で与党と合意文書をまとめ、予算案賛成の立場を固めましたが、社会保険料引き下げに関しては具体的な施行期日が示されないままです。
今後、7月の参院選でこれらの政策がどのように評価され、実際の改革に結びつくかが注目されます。SNS上でも与党の対応に対する厳しい批判が広がっており、政治の今後の動向に国民の期待と懸念が交錯しています。

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